「あなたは何が好きですか。」

カウンセリングという仕事をしていると、「自分が何がしたいのかわからない」という言葉をよく耳にします。

自分が本当に快適と思うもの、好きなことがわからなければ、
自分らしい人生を送ることができません。

何かをしたい、何かを変えたい。
そう思っているけど、何から始めたらいいかわからないこともあります。
それはヒントがないからです。

まずは自分の好みにはっきりと気づくこと。
これはとても大切で、これがわかっていれば、いろんなことが選びやすくなります。

そして次に大切なことは、自分の好みのその暮らしを実現するために、必要な情報を集めたり、具体的な方法を考えていくことです。
これも、なかなか1人では難しい作業です。

カウンセリングを始めて、約20年になります。
50歳という年齢がイメージ出きるようになったこの頃、私ももっと自分らしい仕事ができないかと考るようになりました。
大してとりえもない自分にも、なにか得意なこと、向いていることはないだろうか。


ありました。

日々の生活が好き。
好きなものが多い。
自分の目の前に出来てきたものには、けっこうなんにでも興味が持てる。
今あるものでなんとかする、工夫が出来る。

そんなところから、
一緒に考え、情報を集め、選び、実現するというお手伝いをする、
「暮らしのお店」をやってみようと思いつきました。

暮らしのお店とは、好きな暮らしを実現するために、いろんなことをお手伝いする、なんでもや気軽に相談できる、なんでもやさんみたいなイメージです。

たとえば、新しいバッグを一つ買うかどうかを迷っているとします。

自分に似合うかな。
使い勝手はどうだろう。
金額的にはどうかな。
買って本当に使うかな。
・・こうやってどんどん物が増えてきたんじゃなかったかな。

小さなことでも、一人で考えるって大変ですよね。
自分のことをよく知ってる誰かが一緒に考えてくれて、客観的に意見をくれたらいいのにと思いませんか。私は思います。

私は迷ったとき、よくお店の方に相談してみます。

「私もこれ持ってるんですけど、すごく便利ですよ」

「ポケットもたくさんあるし、A4も入るし」
「どんな服にも合うから、毎日使えますよ」

親切なアドバイスかもしれないけど、ほとんどがその方の主観です。

すごく便利かどうかは、それぞれの好みや生活のスタイル、
そして性格やクセによって違います。

仕事用に、マザーズバッグに、おでかけ用に、なんて単純に用途や持ち物の量だけで判断できるものではありませんし、他人が決めるものでもありません。
なぜなら、他人はわたしのことをよく知らないからです。

自分の好みを知らなければ、日常的に小さな我慢が積み重なります。

例えば、さっきの、
たくさんのポケットがついたバッグ。

実際に使ってみると、それぞれのポケットに分けるのがめんどくさい。とか、レジで後ろに並ばれると気持ちが焦ってしまって、ポケットに入れるどころか慌てて「ざざっ!」と大きなスペースに放り込んで、結局いつもぐちゃぐちゃ。とか。

人はいろんなことが違うので、誰かの基準だけでは自分の生活を快適にすることは難しい気がします。

あなたにもたくさんのポケットが必要ですか? 
あなたは毎日同じバッグを持ちたいですか?
あなたはほんとうにそれが好きですか?

たかがバッグひとつでもこれです。
これが、住むところ、日々の暮らし、パートナー、仕事、となればどうでしょうか。

一瞬一瞬が、あなたの大切な命の時間です。

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どうすればあなたの好みが実現できるのか。
情報を集めて、候補を出して、選んでみて、ほんとうにあなたらしい選択かどうかを客観的に見直したりして、とにかく一緒に考えます。

私はなんでも知っているわけではありませんし、あなたをすべて知ることはできません。
だから、私が教えてあげるということはできませんし、そうしてもあまり意味がありません。

それは、私はあなたではないからです。

なので、ここでは、あなたが私の相談役です。

私は目の前にあるのもには、けっこうなんにでも興味が持てる。
真剣に、機嫌よく、一緒に考えることができる。
ここでさっきお話しした、私の特性が生かせそう気がしているのです。

もし、あなたの快適を実現するのにストップがかかるような考え方のクセが見つかったとしたら、
そこは本業である「心理カウンセリング」の技術を使って、そのクセを手離していくお手伝いもできると思います。

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私はこれまで、いろんな仕事をしてきました。

食品メーカー、広告代理店、出版社、不動産会社。アルバイトや派遣まで入れると、電話会社、物流関係、コンビニ、ファミレス、歯科、エステサロン、中洲のラウンジやカラオケスナック、披露宴でのパーティコンパニオンや高級料亭の配膳係なども経験しました。

そして、好きなものがたくさんあります。
バレエ、藤井フミヤさん、観劇、音を聴くこと、観ること、書くこと、描くこと、創作活動。

英会話、映画鑑賞、読書、散歩、乗り物も好きですし、ときどきイラストの仕事をすることもあります。洋服や靴、バッグも、化粧品も好きですし、いつも体重を気にしてもいます。

勉強は苦手だったし興味もなくて、その上に経済的な事情もあったので、子どものころは全くしてきませんでした。だから大人になった今、自分に合った方法を試行錯誤しながらやっています。

片付け、整理整頓も好きです。
バッグの整理、部屋の片づけは、人のものまでやってしまいたいくらい好きです。

食べることも、飲むことも、料理も好きです。なのでスーパーも好きです。
外食も、ファストフードも好きです。

日々をていねいに、シンプルに暮らすことがとても好きです。

物件、建物、間取り図を見たり書いたりするのも好きで、引っ越しのときなんかは自分で図面を書いたりして、プランを立てます。

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私は、夫婦ふたりで都心の狭い1Rに暮らしています。

たいして日当たりも良くありませんし、新しくもありません。

でもこの物件は作りがとてもシンプルで、交通が便利。ごみ置き場がいつも清潔です。
狭いから掃除が簡単だし、なにより自分たちの生活スタイルやサイズに合っています。

少し前までは、そう思っていませんでした。
もっと広くて日当たりのいい部屋に引っ越したい。人の家が羨ましいばかりでした。
あんなソファがあったらいいな、自分の部屋があっていいな。
いつかお金を貯めて引っ越したい。と思っていました。

でも、今はそう思っていません。
ここがとても気に入っています。

ある時、よく考えたのです。
私はほんとにそんな理想の部屋に住みたいのだろうか。
いろんなことに無理をしてまで。

そして、気がつきました。

この暮らしが、今の自分たちにはぴったりだということに。

生活のスタイル、それぞれの仕事、経済力、持ち物の量、夫婦の関係、それぞれの性格、自宅で過ごす時間の長さ。

何も不満はありませんでした。
無印だらけのこの部屋が、今の自分たちにはちょうどいいサイズでした。

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自分ひとりの発想だけでは限界があります。

他人の発想が加われば、どうせ無理だと思っていたことはそんなに難しいことじゃないかもしれません。

新しい風が必要なとき、ちょっと声をかけてみていただけるとうれしいです。


あなたは、何が好きですか。